潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍ができる炎症性の疾患です。
比較的若い世代の発症が多いのですが、最近はすごく患者様が増えており、決して珍しい病気ではありません。
「必ず適した治療法がありますから、これから一緒にしっかり治していきましょう」と患者様にはお伝えしています。
原因はまだまだ明確には解明されていません。
ただ、遺伝的な要因も多少はあると考えられています。
それに加えて、日々の食事内容や、さまざまな生活環境の因子などが複雑に絡み合って発病するのではないかと言われています。
当院を受診される患者様の中では、やはり下痢や血便、腹痛を訴える方が多くいらっしゃいます。これらは感染性腸炎(お腹の風邪)や一時的な痔でも見られる症状ですが、一定期間症状が続く場合は、早めの受診をお勧めします。
また、「腹痛や下痢はないけれど、ゼリー状の粘液(粘血便)が便に混じる」というケースも十分にあり得ます。
出口(直腸)に近い部分だけに炎症が起きているケースなども考えられますので、症状が軽くても否定はできません。
ストレスが発症の直接的な原因になるかどうかは分かっていませんが、すでに疾患をお持ちの方の症状が悪化(再燃)することには、やはり深く関与していると感じます。
患者様には、この病気には症状が落ち着く「寛解(かんかい)」と悪化する「再燃」という波があることを事前にお伝えしています。
「また血便が出た」「お腹が痛くなった」という時に一人で不安を抱え込まず、ちゃんと次の治療法がありますので、ストレスを溜めずにいつでも相談してくださいね。
また、急な便意への対策としては、お腹が痛くなる時間帯やタイミングの傾向(個人差があります)を把握した上で、食事の時間を調節したり、あらかじめトイレの場所を確認しておいたりすることをおすすめしています。
感染性腸炎や痔などと症状が似ていますが、それらをきっかけに検査をして潰瘍性大腸炎が見つかる方もいらっしゃいます。
「少し良くなったから」とご自身で一時的なものだと判断し、決めつけてしまうのはよくありません。
ご自身での診断は避けていただき、できれば一度受診して検査を受けていただくのが一番安心だと思います。
確定診断のためには、やはり「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」が必要不可欠です。
そのほか、補助的な診断やばい菌(感染症)の有無を調べるために、血液検査や便の検査などもあわせて行います。
当院の印象としても、患者数は爆発的に増えていると感じます。
年齢層としては、10代後半から30代くらいの若い方が多いですね。
男女比は一般的には同じくらいと言われていますが、当院ではやや男性の患者様が多い印象があります。
重症度に関してはいくつかの分類がありますが、基本的には「軽症」にあたる患者様が多いです。
症状が出ている(活動期の)時は、胃腸への刺激物やアルコール、揚げ物などの脂っこいものは避けていただき、消化の良いものを召し上がっていただきます。
一方で、症状が落ち着いている(寛解期の)時は、食事の制限を厳しくしすぎる必要はありません。多少の「お楽しみ」も生活には必要ですので、適度に楽しんでいただいて大丈夫です。
確実な診断を下すためには、内視鏡で見た所見(内視鏡所見)や、組織の一部を採って調べる「病理所見」が診断基準として欠かせません。
当院のこだわりとしては、若い患者様が多いため、検査に対する苦痛や羞恥心、不安に配慮することです。
初めて大腸カメラを受けられる方も多いので、できるだけリラックスして受けていただけるよう、細心の注意を払っています。
よく症状が良くなると通院をやめてしまう方がいらっしゃいますが、この病気のゴールは、腸の粘膜が綺麗に治った状態(粘膜治癒)をずっと継続することです。
定期的な受診や補助的な検査を続け、粘膜の治癒を維持していくことが、将来的な大腸がんの予防にも繋がります。
治療の選択肢としては、内服薬(飲み薬)や外用薬(座薬・注入軟膏)が基本ですが、これらでコントロールが難しい場合は点滴治療、そして場合によっては外科的な手術を選択することもあります。
確かに、基本的にはお薬を飲みながら上手に付き合っていかなければいけない病気ではあります。しかし、お薬をきちんと飲むことによって、普通に楽しく食事ができたり、これまで通りの私生活を楽しく過ごしたりできるようになります。
その楽しい毎日のために、一緒にお薬を頑張っていきましょう。
適切な治療をせずに放置してしまった場合は、残念ながらそのリスクは高くなっていくと言えます。
しかし、先ほどお話しした「粘膜を綺麗な状態に維持する」という目標に向かって、私たちと一緒にきちんと治療を続けていければ、そこまで過度に心配しなくても大丈夫ですよ。
結論から申し上げますと、心配なさらずにこれまでのライフプランを考えていただいて大丈夫です。
確かに、妊娠や出産のタイミングで一部影響が出る(注意が必要な)お薬もありますが、代わりに使えるお薬(代替薬)など、選択肢はたくさんあります。
まずは受診していただき、これからの治療のことだけでなく、ご自身のライフスタイルや今後の将来設計も含めて、一緒にベストな方法を考えていきましょう。
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